脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

金木犀

大きな道路をひとつ曲がって
小さな路地からまたひとつ入って
人ふたり並んで歩けるほどの
歩道の脇から香ってくる
鼻腔をくすぐり抜けていく
金木犀の甘い匂い
食べたらどれほど甘いだろうと
幼いときは考えていた
今はどれほど苦いだろうかと
香りの嘘を考えている


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