脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

文学フリマ東京37 お品書き

お品書きです。・初詩集『雨音は乾いた猫の匂いがする』・雨猫未収録分『脊椎と雨音』・雨猫未収録分暗いもの『ししゅう』・VRChatワールド詩集『VRCHAT World Words』それと無配も作るつもりです。何卒よろしゅう。

雨の夢

ヘッドホンをはずすと不規則な水の滴る音で世界は満ちていたどおりで肌寒いわけだ音の激しさにつられるように寒さを強く感じるようになり私は着替えようと立ち上がった窓の外が光る 遅れて音がする電化製品の心配だけして私はパジャマに着替え子守歌のような…

雨の向こう、待つ君へ

灰色の雲に覆われてそちらはきっと薄暗いでしょう早く陽の光を届けたいけど風も今日は泣きたいみたいで雨雲を連れてこうとしないしょうがないから私はここで雨雲の隙間の小雨に向けて差す光を準備しておくよ虹にはみんなを笑顔にする力があるから shironekos…

午前3時の君

午前3時の君 はまるで死体のようで口元に手をかざせば微かに息があたるのだけどいびきもかかず寝返りも打たずただ静かに横たわっている陶器のように白くて冷たい肌 が現実感を曖昧にしてこの光景自体が夢のよう なそんな気がしてくるから僕はぎゅっと目を瞑…

◆文学フリマのブース配置が決まりました

ブース位置が決まりました。[脊椎と雨音]X-07 です。既刊とかいろいろ置いてる予定です。無配も作りたいな。 お時間あればぜひお越しください。

余白

言葉にならない言葉にしない想いが多すぎて余白は真っ黒になってしまった行間には読めない文字がびっしり詰まっていてまるで砂糖に群がる蟻のようだった何故言葉にしないのだろうこんなにも感情が渦巻いているのにいや渦巻いているからこそ言葉にできないの…

ナイフ

あのとき放った言葉が、今でも刺さったまま抜けない。ナイフは刺さったままの方がいいらしい。抜けばそこから血が溢れてしまうから。だから抜かない方がいいのかもしれない。抜けばそこから血が流れてしまうから。だけれどそこに刺さっている限り、私はその…

■FANBOXとSkebはじめました

◆pixivFANBOX amatsui-furuya.fanbox.cc 詩の創作についての話や裏話など、それとVRChatでの活動について書いていきます。 ◆Skeb https://skeb.jp/@amatsui_rei 自分の想いを文章にしてほしい・自分のオリキャラの物語を書いて欲しい・書いた文章についてア…

かみなりさま

">地面がひび割れて現れたのは大きな角の生えた馬銀蒼色のたてがみを靡かせいななきながら空へと飛んだあれはきっと落ちてきた雷様なんだとだから空へと帰っていったんだとそのひび割れは祀られたああ神様でも故郷を想っていなないたりするのか私は少し安心…

氷水

じわり、と、熱が滲む 私はそれを拭い去るように、扇風機の風を強くした 蝕む温度でぼやける頭 からんと氷が音を立てる 温度に蝕まれて小さくなってゆく物体 それと比例して浮き上がる雫 それを指ですくい上げる その雫は氷から温度を受け継いで冷たかった …

午前3時の君

午前3時の君 はまるで死体のようで口元に手をかざせば微かに息があたるのだけどいびきもかかず寝返りも打たずただ静かに横たわっている陶器のように白くて冷たい肌 が現実感を曖昧にしてこの光景自体が夢のよう なそんな気がしてくるから僕はぎゅっと目を瞑…

雨椎零第一詩集『雨音は乾いた猫の匂いがする』やっと発売となりました。

雨椎零第一詩集『雨音は乾いた猫の匂いがする』やっと発売となりました。これまで書いていた詩と書きおろしとが載っています。表紙絵挿絵は『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』『膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました』などの永田カビさん、裏…

連想詩

こちらの詩集はツイッターで募集したお題を元に詩を書くという企画で書いたものです。 お題:ブルースクリーン 突然目の前が真っ青になったいや 世界そのものが青に染まっていた文字の羅列が周りを流れてゆくああ 終わったのか俺の青写真の最後の光景はあん…

ヘッドホンをはずすと不規則な水の滴る音で世界は満ちていたどおりで肌寒いわけだ音の激しさにつられるように寒さを強く感じるようになり私は着替えようと立ち上がった窓の外が光る 遅れて音がする電化製品の心配だけして私はパジャマに着替え子守歌のような…

第一詩集「雨音は乾いた猫の匂いがする」予約開始しました

雨椎零初めての詩集「雨音は乾いた猫の匂いがする」の予約が開始になりました。6月15日に発売となります。よろしくお願いいたします。 shironekosha.thebase.in

のど飴

けほけほと乾いた咳を吐き出すのどを労わって甘いかけらを一粒口に放り込んだ舌の上にじわりと広がる甘さと少しのメンソールころころと転がして溶かしていけば口腔の乾燥もおさまってとろりと甘い言葉が出そうになる会いたいよ。君に会いたいそしてこの甘さ…

余白

">言葉にならない言葉にしない想いが多すぎて余白は真っ黒になってしまった行間には読めない文字がびっしり詰まっていてまるで砂糖に群がる蟻のようだった何故言葉にしないのだろうこんなにも感情が渦巻いているのにいや渦巻いているからこそ言葉にできない…

詩誌『蜜』に参加します◆文フリO-37

ご縁があり詩誌『蜜』に参加させていただきました。文月悠光さんの詩の教室という講座を受け、そのご縁です。今年の初めに出した詩集同人誌2種類を委託させていただいています。 【お知らせ】<詩誌 蜜 創刊号✨>5/21 #文学フリマ にて発売します。◎招待作…

消えゆくもの

するりと消えてゆくするりと溶けてゆく心の底に貯まる言葉などほんの一握りでしかない (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)

幸せは痛いですか

言葉のナイフを人に刺すつもりで研いでいる人はどれくらいいるのだろう多分きっと大半の人は研いでいるのがナイフだとは思っていないし、突き刺す相手がそれを読んだ人間だとも思ってないのだろうそのナイフが刺さったときの衝撃それを幸せと呼ぶときもある …

盗んだ月

盗んだ月を土産に君のもとへ訪ねたら空が可哀相だよと君は空に月を返してしまった君が月を好きだというからこっそり盗んできたというのにそう言うと君は笑ったあなたと一緒に眺める空にあるから好きなの と言われてしまっては僕は月を見ながら反省するしかな…

情報

1日のうちにどれだけの文字を、私は摂取しているのだろう流れ消えていくジャンキーな言葉たちインスタントのように現れては消費され言葉は本来の意味を発芽できずにいるまた流れてきた文字列を私はさらりと流し読みするその言葉を噛みしめることなく言葉た…

私に

私が私であることに対して私は私でいたいと思っていないわけではないけれど少しばかりの不満はもちろんあってそれは昔からあるものもあれば最近気づいたものもある。それらをひっくるめたものが私なのなら私は私でいいのか疑問を抱くがそうでなければ紡げな…

この世のものに似てる

ろうそくの灯りに似ている気がした少しおぼろげなその灯りはそこらを飛んでいる鬼火に似ている重たくて暗い雲に似ている気がした地獄の空の方が暗いけど雨が降る直前の重たそうなあの雨雲どうしても思い出してしまう生まれる前の地獄のこと (ランキングに参…

埋葬像

冷たい水が頭からかけられて、その寒さに私は震えた。いつか私は美しくなるのだろう。いつか私は可愛くなるのだろう。いつか私は綺麗になるのだろう。いつか私は賢くなるのだろう。いつか私は格好良くなるのだろう。そう思って歩みを進めてきた。 少しずつ、…

静寂の中へ

気付いたとき私の周りにはたくさんの花が咲いていた彼女たちは静かに私の耳へ風の囁きを届けてきていたその音はきっととても静寂に近く私はおそらく自ら望んでここへ来たいつの間にか川のせせらぎが聞こえるようになり私は少しずつそちらへ近づいているよう…

春の報せ

ひとつの報せが今朝届いたこれからそちらに向かいます と梅の香りの手紙が一つもうそんな時期ですかとそれを読んだ君は深く息をついてそれじゃあそろそろ準備をします と忙しなく旅支度を始めたなぜ会わないんだい?と聞くと彼女は眩しすぎるので と冬の君は…

雨をやめてよ

雨をやめてよ。部屋の中で聞く雨音は好きだけど外出するときは好きじゃない。雨をやめてよ。部屋の中で聞く雨音のリズムはすごく落ち着くけどそれに打たれるのは好きじゃない。雨をやめてよ。雨粒は小さなギロチンで私を断罪しようとする。雨をやめてよ。私…

朝焼け

夕陽の向こうはどこかの朝焼け。焦げた匂いが空を焼く。冷めれば広がる水晶色に僕らは透明な海を見る。潮風の幻覚を感じる波打ち際の泡のような雲は陽を点すのを手伝って、赤紫に滲んで光れば、焦げた紺色が空を覆う。火花は星になり点々と煌めいて、僕らは…

嘘だとしても別にいいんだ嘘をつき続けてくれるならそれが僕にとっての真実だから僕が知らなければそれが本当でだから君はずっとその嘘を守り続けてよ僕はそれを信じて振る舞うからそしたら僕は本当になれる (ランキングに参加しています。よければ応援お願…