2023-02-06 微熱 詩 微熱があるときの世界は違って見えるいつもよりも高い温度を纏う世界吸う空気は冷たく吐く空気は熱を持っているお水はいつもより冷たくて飲むとぞわりと背筋に走る熱いお茶は温度が近づいただけ飲みやすくゆったりと体に染み渡る重たい体で見る世界少し呂律が回りにくく話すスピードもゆっくりだ世界の速度が遅くなっている世界の彩度が曖昧になっているぼんやりとした頭で過ごす世界冷たい枕で眠るのが心地良い放熱するときの血液の循環を感じるとき私はより生を感じるのだ (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)
2023-02-05 雪の精 詩 夕方、薄暗くなり、向こうにいる人の顔が見えず姿の影だけ見える頃逢魔が時ともいうその時刻、私は見た気がするのだ木々の痩せ細った枝に積もった雪が自重に耐えかねバサバサと落ちるその間雪と雪の間に君によく似た色白の雪の精が座っていた (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)
2023-02-04 二人 詩 あの人の指が私の輪郭をなぞる想像をするそれだけで私の体は熱を持つあの人の熱とぶつかって交わりたい体をぴたりと密着させてシーツに二人分の汗と匂いが染み込んだら私とあなた、もう離れない互いの香りと体温を求めて世界にふたりきりになる (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)
2023-02-03 足音 詩 足音が追いかけてくるヒールの高いこつこつという足音私はそれから逃げるように早歩きになるするとその足音のテンポも速くなるこつこつ こつこつそれは私を追い立てるいつも私を追い立てる早く歩け 早く動け 早く働け私はその足音から逃れることはできない (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)
2023-02-02 君の根底 詩 君の根底にあるものはなんだろう子供の頃の思い出?お母さんに言われたこと?お父さんと一緒にやったこと?先生に教えてもらったこと?友達と喧嘩したこと?その思考は呪いのようなものだ底にこびりついて剥がれないこれから君は変わるのかなそれとも変わらないでいるのかな (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)