脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

雨の夢

ヘッドホンをはずすと不規則な水の滴る音で世界は満ちていた
どおりで肌寒いわけだ
音の激しさにつられるように寒さを強く感じるようになり
私は着替えようと立ち上がった
窓の外が光る 遅れて音がする
電化製品の心配だけして私はパジャマに着替え
子守歌のような雨音に包まれ布団に入った
雨の音 それは産まれる音
雨が生みだした夢を見て、私は眠りに誘われる

 

 

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雨の向こう、待つ君へ

灰色の雲に覆われて
そちらはきっと薄暗いでしょう
早く陽の光を届けたいけど
風も今日は泣きたいみたいで
雨雲を連れてこうとしない
しょうがないから私はここで
雨雲の隙間の小雨に向けて
差す光を準備しておくよ
虹にはみんなを
笑顔にする力があるから

 

 

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午前3時の君

午前3時の君 は
まるで死体のようで
口元に手をかざせば微かに息があたるのだけど
いびきもかかず寝返りも打たず
ただ静かに横たわっている
陶器のように白くて冷たい肌 が
現実感を曖昧にして
この光景自体が夢のよう な
そんな気がしてくるから
僕はぎゅっと目を瞑っ て
目を覚ますよう 祈った

 

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◆文学フリマのブース配置が決まりました


ブース位置が決まりました。
[脊椎と雨音]X-07 です。
既刊とかいろいろ置いてる予定です。無配も作りたいな。

お時間あればぜひお越しください。