脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

余白

言葉にならない言葉にしない想いが多すぎて余白は真っ黒になってしまった
行間には読めない文字がびっしり詰まっていて
まるで砂糖に群がる蟻のようだった
何故言葉にしないのだろう
こんなにも感情が渦巻いているのに
いや
渦巻いているからこそ言葉にできないのか
私はそっと余白をなぞった

 

 

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ナイフ

あのとき放った言葉が、今でも刺さったまま抜けない。
ナイフは刺さったままの方がいいらしい。抜けばそこから血が溢れてしまうから。
だから抜かない方がいいのかもしれない。抜けばそこから血が流れてしまうから。
だけれどそこに刺さっている限り、私はその言葉を忘れることができない。
だから血が流れることを覚悟して、その言葉を抜くべきなのだろう。
止血はきっとし足りないだろう。きっとしばらく流れ続ける。
だけれど私はそれが怖い。
その言葉を抜くときの痛み。
その言葉を抜いた後の痛み。
その言葉を抜いた後の出血。
その傷口が塞がるまでの時間、私は苦しみ続ける。

 

 

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■FANBOXとSkebはじめました

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詩の創作についての話や裏話など、それとVRChatでの活動について書いていきます。

 

 

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自分の想いを文章にしてほしい・自分のオリキャラの物語を書いて欲しい・書いた文章についてアドバイスがほしい etc 受け付けております。

 

 

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かみなりさま

地面がひび割れて現れたのは
大きな角の生えた馬
銀蒼色のたてがみを靡かせ
いななきながら空へと飛んだ
あれはきっと落ちてきた雷様なんだと
だから空へと帰っていったんだと
そのひび割れは祀られた
ああ神様でも故郷を想っていなないたりするのか
私は少し安心した

 

 

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氷水

じわり、と、熱が滲む

私はそれを拭い去るように、扇風機の風を強くした

蝕む温度でぼやける頭

からんと氷が音を立てる

温度に蝕まれて小さくなってゆく物体

それと比例して浮き上がる雫

それを指ですくい上げる

その雫は氷から温度を受け継いで冷たかった

けれど多分その雫は

あまりにも純粋で美しい

 

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