脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

氷水

じわり、と、熱が滲む

私はそれを拭い去るように、扇風機の風を強くした

蝕む温度でぼやける頭

からんと氷が音を立てる

温度に蝕まれて小さくなってゆく物体

それと比例して浮き上がる雫

それを指ですくい上げる

その雫は氷から温度を受け継いで冷たかった

けれど多分その雫は

あまりにも純粋で美しい

 

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