脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

雪の言葉

舞い散る雪は誰かのつまらなさ。乾いた感想。言葉にするほどでもない思い。
だから酷く冷たい。
発することも聞くことも求められなかった言葉は凍りついて、はらはらと控えめに降ってくる。
舌に乗せれば最初から何もなかったかのように溶けて消え、なんの味も残らない。

冷たい空気だけがそこにあった。
氷の匂いが鼻腔を刺す。
地面に着こうとした瞬間風が拭き弄ばれてまた落下するのを繰り返し、なかなか消えさせてくれない。
かと思えば樹木にへばりついて消えるどころか塊になってしまっている。

消えたいのか。消えたくないのか。
消えさせてくれないのはその言葉の執念だ。伝えなければならなかった人でなくても良い。自分を聞いてほしい。
冬の街は言葉だらけだ。だから雪は音を吸う。自分の声を響かせたいから。

 


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