脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

地獄へ参ります

私は死んだら地獄にゆくのだと、エスカレータ式に進学した学生の時のようにそれが当然と思っている。天国は信じていないのに地獄は信じている。そもそも清廉潔白な人間を信じていないから、天国も信じていない。

あるとしたらそれは多分ちょっとましな地獄くらいなもので、誰かの描く理想郷などではないと思う。
私は自分のみを守るために嘘をつくし、無神経な言葉で他人を傷つけるし、自分自身の扱いすら適当で、他人に優しくするのは自分が優しくされたいためだし、話を聞くのは話を聞いてほしいからだし。

かといって私は私を好きかというと、どちらかといえばかろうじて好き、くらいで、かといって嫌いかと言われればそうでもない。好きでも嫌いでもない。自分の事なのに。
でも楽に生きたいから自分が得をするようなるべく立ち回る。打算的な立ち振舞いはきっと知ってる人ばかりだろう。

だから私は地獄に行くと思っているし、むしろ行きたい。はっきりと罪を述べられれば私はしっかり自分というものをそこではじめて捉えられる気がするし、その言葉たちは私以外には不必要な、私だけの言葉なはずだ。つまりその罪をもって私という生物は完成するんだ。

 


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