脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

電子の海と雨音

雨音が零れて脊椎流れてく
はらはらと舞う雪素肌を撫でてゆき
ワイパーを上げた車の白化粧
花嫁を乗せ馬車となり走りつつ
たてがみの靡く風との風鳴よ
飼い犬の遠吠え夜月に吸い込まれ
星空の散らばる欠片拾い上げ
炭酸の中に沈めて飲み干せば
喉を焼く胃液の酸の熱量よ
紫陽花の足元暗く苔ている
水草の残像光学迷彩
隠れ電子の海の中

 


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