脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

新年

子供の頃の大晦日
私にとって特別なものでした
だって日付が変わるまで
起きていることを許されていたから
大人になって夜更かしが普通になって
日付が変わるまで起きていることなど
珍しくなくなったけど
晦日の夜更かしは未だ
新年を待つ街の雰囲気のせいか
何となく特別な気がしています

実家を離れ一人暮らしを始めた今でも
晦日の夜は夜食に年越しそばを食べ
のんびりとカウントダウンを数えています

ほらもうすぐ
カウントが0になりますよ

ぴょこぴょこ跳ねる兎がやっと
今に到着するのです
可愛らしい長い耳を揺らしながら
皆に新しい気持ちと新しい風を運んでくる

あけましておめでとうございます
あなたのところにも
兎はやってきましたか
雪のような体に赤い目を目立たせて

定型句など見飽きましたね
けれどもこれも風物詩
「本年があなたにとって良い年になりますように」
互いに祈り祈られて
今年も歩んでいくのです