脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

雪が降る頃

舞い散る枯れ葉が白い雪に変わる頃
お元気ですか
風邪など引かれていませんか
粉雪が牡丹雪に変わるのを見てふと
あなたのことを思い出しました
積もりそうにない粒子状の氷は
溶けるより早く多くくっついて
冷たい土台を作ります
その上に大きく柔らかな
わたあめのような雪が積もり
朝には地面や屋根を真っ白に染め上げていました
ワイパーが上がった車や
駐車場の隅に寄せられた雪山や
雪の重さで下を向いた木の葉や
ざりざりという雪と氷の混じった足音が
冬はこういうものだったと思い知らせるように
主張してきます
乾燥して切れた唇
ささくれだった手の指
あっという間に宙に溶ける水蒸気
乾燥しています火の扱いに注意してくださいと
消防車が言って回っている
もうすぐ年が明けますね
この一年長かったような 短かったような
毎年同じことを思っている気がします
きっと来年もそう思うのでしょう
そうしてゆっくり年老いて
気づけば時代が変わっていて
取り残された気持ちになるのです
まるで除雪で避けられた雪の塊が春先に残っているように
かたく かたく 押し固められて
その塊は私なのです
気づけば溶けて梅雨が来て
雨が枯れ葉に変わってそして
また白い雪に変わる頃
私はどうしているでしょう
変わっていくのに変わらないもの
私はそれが怖いのです

 


(ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)
ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ にほんブログ村 ポエムブログ 近現代詩人へ にほんブログ村 メンタルヘルスブログ うつ病(鬱病)へ