脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

ぐしゃぐしゃに掻き集めた。掌の上から零れ落ちる。僕はまたそれを掬う。何度も繰り返す。繰り返し繰り返し。けれど全部を掌に納めることはどうしてもできなくて。全てばら撒いて宙に叩きつけてやりたくなる。手に入らないものなどいらない。そう強気でいたいのに。零れた欠片は僕の弱さ。
僕は弱さを認めたくなくて、掻き集め続ける。いつかすべてこの手に納まることを願って。けれどそれは叶わぬ願い。掌が大きくなればなるほど、この手に納めたいものは多くなっていく。掻き集めて掻き集めて。くしゃくしゃに折り畳んで。なるべく小さくして握って。
それでも指の隙間から、掌の皺の溝から、どんどん零れ落ちていく。僕はそれを拾い集める。拾うたびに何かが落ちる。この行為は終わらない。僕はいつしか気づいていたが、だけれどそれでも諦められない。僕が僕であるために、この行為は続けなければならない。
僕は今日も掻き集めては、欠片を零して嘆いている。


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