脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

メンヘラ

僕が生き残るにはこのほっそりとした首を締める必要があるあるいはこの手首でもいい縄で縛って放置してくれ食べ物を与えないで飲み物を与えないで空気すら与えないで乾かしてほしいカッターの刃を一メモリずつ数えておくれピルケースのシートを一錠ずつ数え…

星の国

外に出たとき必ず一回上見て空を眺めてごらんよ太陽、雲、星、月毎回違う模様を見せてくれる何より空は世界の広さを教えてくれる下ばかり見ているととても狭く感じるけどそんなことはないんだ ああ、世界ってこんなに広かったんだ そう思うだけで自分が軽く…

証明

はめ終えたパズルを分解するように組み立てたガンプラを解体するようにクリアしたセーブデータを消去するように僕は無力さを証明したい 夏に暖房を冬に冷房をお湯に氷をアイスに熱湯を相反するもの同士をぶつけることでしか得られないものがそこにあって僕は…

多様性

君の目、君の鼻、君の口、君の耳、君の髪、君の声、君の手違うところを探せばたくさん出てくる君の思考、君の思想、君の信念、君の在り方違うからこそ僕らは出会えたんだ違うからこそわかりあえたんだ互いの違いを捉え、考え、尊重しだから人間は素晴らしい …

i

数字のようで数字でない数字のようで数字である虚ろな数にさえ i と名前がついているのいうのに私が抱くこの想いは因数分解すらできず名前をつけることができないまま (ランキングに参加しています。よければ応援お願いいたします。)

月の裏側

月の裏側に行ったことはあるかい太陽の光も届かぬ暗闇で地球の喧騒も聞こえぬ静寂で瞼を閉じて耳を塞げばここは孤独の三番街昼寝するにはぴったりさああだけどとても寒いから厚手の毛布を忘れないで温もりさえも忘れたら永遠に帰れなくなってしまうから (ラ…

完璧

「ごめんちょっと遅れるね」いつも君はそうメッセージを送ってきて待ち合わせの時刻に間に合ったことがないお待たせ、と言ってやっと来た君は確かに可愛いけどそんなに完璧にしなくていいよ僕はメイクをして髪をセットして念入りに確認した完璧な君より君と…

親しい仲

なにやら随分久しぶりですこうして言葉を交わすのは。お元気でしたか変わりないですか。ええ答えなど求めていません。こんな確認事項など。あなたとわたしの間にはきっとこんなものなんていらないのです。久しぶりの関係こそわたし達には相応しい。毎度の挨…

偶然

わたしとあなたが会ったことあなたときみが会ったこときみがわたしと会ったことわたしがここへ着いたことあなたがそこへ行ったこときみがあそこへ帰ったこと わたしはまた会えるでしょうかわたしはまた帰れるでしょうか それを知るのは神のみでしょうか (ラ…

獣心

葉にいる芋虫を摘まんで投げる。蟻の巣の穴に水を注ぐ。雀の群れに石を投げる。子供の無邪気さは人間が獣だった頃のもの。惨酷なことをしなければそれが生きているとわからない。なんて惨忍な確認行為。 (ランキングに参加しています。よければ応援お願いい…

万年筆

一万円の万年筆で百均のノートに書き殴るのだ今日あったこと嬉しかったこと 楽しかったこと 悲しかったこと 苛立ったこと 虚しかったこと生きたかったこと死にたかったこと読めなくていい ただ書き散らしたいだけだから私の思いの覚え書きですらない書き出す…

あぶく

デジタルの記録はあまりにも脆いことを知っていますか今こうして呟いた言葉も泡が上にのぼりいずれ弾けるように消えてしまうのですですからどうかその言葉は手紙に書いてもらえませんか私はその手紙をずぅと生涯離さず持っていますからどうかあぶくになどし…