脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

朝焼け

夕陽の向こうはどこかの朝焼け。焦げた匂いが空を焼く。冷めれば広がる水晶色に僕らは透明な海を見る。潮風の幻覚を感じる波打ち際の泡のような雲は陽を点すのを手伝って、赤紫に滲んで光れば、焦げた紺色が空を覆う。火花は星になり点々と煌めいて、僕らはそれに安堵する。明日が来る。僕らの明日が。

眠るまでは今日だよ。なんて屁理屈を捏ねている今も月は次の夜の準備をし朝焼けの匂いが窓越しにしてくる。温度と光は遮光カーテンでさえぎられるけど匂いだけはさえぎれていなかった。朝だ。黄色い月は白くなり赤い太陽は黄金色になる。乱反射する空の色はきっと太陽と月の好きな色。

 


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