ウェアラブルデバイス
こちらの体調のしんどさなどお構いなく
ウェアラブルデバイスは定期的に運動を促してくる
余計なお世話だ
私は無駄に飲み込んでしまう空気と
無意識に食いしばってしまう奥歯と
頭の奥から響いてくる鈍痛と
それらをどうにかしてやりすごそうと
一生懸命なのだ
運動してこれらがなくなるなら喜んでするが
生憎マシになったことはない
運動は体にいいというそれは間違ってないだろうが
少なくとも今すべきことではない
この高性能の腕時計だって
今私がすべきことを正しく指示できるわけもなく
私自身その解消法を知るわけでもなく
私は布団にくるまって重病人のように丸まり
時折起き上がってはお腹に溜まった空気を無理矢理吐き出す
眠るときはマウスピースを噛み
薬を飲んで目を閉じる
初め2錠だった薬物は今や3倍になり
けれど心身は悪化するばかり
何が原因なのだろう
何度も何度も探り自問自答しては
アタリをつけて解決策を探る
そうして少しマシになっては
気づけばまた布団の中に戻る
その繰り返しでもうリズムが整ってしまっていて
私の人生はきっとこんなふうにゆるやかに
テンポを落としながら堕ちていくのだろう