脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

微熱

微熱があるときの世界は違って見える
いつもよりも高い温度を纏う世界
吸う空気は冷たく吐く空気は熱を持っている
お水はいつもより冷たくて飲むとぞわりと背筋に走る
熱いお茶は温度が近づいただけ飲みやすくゆったりと体に染み渡る
重たい体で見る世界
少し呂律が回りにくく話すスピードもゆっくりだ
世界の速度が遅くなっている
世界の彩度が曖昧になっている
ぼんやりとした頭で過ごす世界
冷たい枕で眠るのが心地良い
放熱するときの血液の循環を感じるとき
私はより生を感じるのだ

 


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