脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

中原中也と僕

「愛するものが死んだ時には、
 自殺しなけあなりません。

 愛するものが死んだ時には、
 それより他に、方法がない。」

中原中也はそう言って
その後茶店へゆきました

茶店で彼は会ったのです
中原中也に会ったのです

灰色の瞳で言ったそうです
「死んじゃいかんよ。彼女の為にも」

彼は思いとどまりました
彼はロープを捨てました

病院で彼は目を覚まし
彼女のお墓へ行きました

すまなかったと謝って
お花を供えて手を合わし

彼女のお墓に水をかけ
線香と煙草を燻らせました

彼女の写真をいちまい
寝る前ベッドで眺めては

幸せになると決めたのです
幸せになると、決めたのです

 


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