脊椎と雨音

詩人になりたい人の詩たち

キスはレモンの味だったでしょうか。
いいえ。グレープフルーツの味でした。
砂糖をかけたいくらい苦かった。
あなたの背中を見るたびに
ひとふりのナイフを振り下ろしたくなる。
どんな感触がするだろう。
骨にかすってゴリといい、筋肉を穿ってズブという。
恋は甘くないものですね。
だから甘い言葉を混ぜるのですね。
あなたの体温を感じるために刺した
ナイフが黒色に染まるとき。
やっと私は心の底から
あなたを愛せると思うのです。

 


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